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『魂の紀行』 第2章 エジプトでの御神事・本編(前編)-7

 
<コム・オンボ神殿 >

 本日最後の目的地コム・オンボ神殿に到着。
 時間はすでに20時をまわっていました。

 本日は19時閉館とのことだったので
「間に合わなかったかぁ」と思いきや、すんなりと

 「ウェルカム!」

 「・・・?」

 アムロが途中から電話連絡をとって
「閉館後の貸し切り」にしてくれていたのです。

 車内でお互いの理念を分かち合っていたからこその嬉しいサプライズでした。

 閉館後のライトアップされた遺跡にいるのは私たち5人だけ。

 何とも贅沢な時間です。
 
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 ナイル川畔の小高い丘に建つこの神殿は、
 ちょっと変わった造りになっています。

 ふつうの神殿は、建物の中央に通路が1本ですが、ここは2本。

 塔門や部屋の入り口、至聖所も2つあり、
 神殿全体が二重構造になっているのです。

 アムロが理由を説明してくれました。

「ここは、ハヤブサの神ホルス神と、ワニの神ソベク神の2神を祀っている神殿。
 ふつうは神様1体だから、通路も入り口も全部1つずつね。
 でも、ここ2体の神様だから、全部2つずつ。
 これはエジプトでも、とても珍しい造りだよ。」
 
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 塔門から前庭、列柱室を通り、至聖所へと辿り着きました。

 厳かな中にも、少し重苦しさを感じる独特の雰囲気が漂っています。

 私たちは、至聖所と回廊の2箇所で祈りを捧げました。

 真っ暗な空間ですが、床には天井から漏れる月明かりが丸く差し込んでいます。

 その光を囲むようにして、手を繋ぎ、円陣を組む私たち。

 ビジョンの中でその光はだんだん太くなり、大きな光の円柱になりました。

 5人が作る円陣から、天に向かって真っすぐ伸びる光の柱が立ち昇っています。

「ここは、ハヤブサとワニ(に象徴される存在)の
 仲直り御神事をする場所だったんだね。」

 Sちゃんのひと言で、
 エジプト行きが決まってからすぐに観えた瞑想中のビジョンが
 ありありと甦ってきました。

・火の鳥(のような存在)と尻尾に長い毛のたくさん生えた亀(のような存在)が
 出逢おうとしている。
第2章エジプトでの御神事編・序編-2より

「そうか!火の鳥はハヤブサの象徴で、亀はワニを現していたんだ・・・」

 Sちゃんの言った「仲直り」は、
 今回の旅でたいせつなキーワードの1つ。

 今までいがみ合っていた同士が「調和」に向けて動き出すという、
 たいせつな「ひな形」を創る御神事だったようです。

「なんだか、とても空氣が澄んだ感じがする・・・。」

 Rちゃんの言うとおり、さっきまでの重苦しい雰囲気はどこかへ消え去り、
 やさしく温かいエネルギーが空間を満たしていました。

追記
 この日23時過ぎに宿泊先へ到着した私たちは、0時を超えてから夕食(夜食?)。
 明日は5時にロビー集合だそうです・・・。