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『魂の紀行』 第2章 エジプトでの御神事・本編(前編)-10

 
< ナセル湖 >

 アブシンベル神殿をあとにしてすぐ、Sちゃんから
「どこかで、水に祈りたいんだけど。」という提案がありました。

「うん、わかった。
 ナセル湖に繋がっている水場があるから、そこへ行こうか。」

 さすが現地事情に詳しいアムロ。
 車で5分ほどのところにある水場に案内してくれました。
 

 アブシンベル神殿が、アスワン・ハイ・ダムの建設に伴う水没から
 免れるために移転を余儀なくされたように、
 もともとこの地にはたくさんの遺跡や村がありました。

 ダム建設には当時から賛否両論があったことと思いますが、
 ナイル川の生態系に大きな与えた影響を与えたことは間違いありません。

 ナイル川に続くナセル湖の水場で「水の祈り」を捧げました。
 
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 祈りの間に2匹の龍が螺旋を描きながら空に向かっていくのを感じた、
 というSちゃんは、同日アップしたブログにこう記しています。

「ダムの事を云々言う気は全くありませんが
 自然の流れを人間都合で変えた事に対して
 エジプトの自然神と自然界のスピリットに祈りをして
 心からのお詫びをしました。
(中略)
 ホラ貝を吹き、祈りをしてナイルの水神と確かに繋がりましたが
 とてもとても乾いた印象で、
 今の人が水の祈りをしていない事は明白でした。
 僕らはただ、ただ、お詫びをするしかありませんでした。
(中略)
 そもそも地球も自然も人間の為にあるわけではなく、
 山も、川も、森も、岩も、宇宙や地球のバランスを保つ為に、
 それぞれの意味や役割をもってその場所にあります。
 この地球上でそのバランスに意思をもって
 変化を加える事ができる唯一の存在が人間です。
 地球や自然の力が弱まれば、
 その上で生かされている人間も弱まるのですから、
 これからは「いかにして地球と人間が共生していく事ができるか?」
 という観点でもって未来を創っていく事がたいせつです。」

 Sちゃんは、自然界と人間界が繋がりを保つためにも
「祈り」はとてもたいせつだと言います。

 人間が自分たちの都合で自然界とのバランスを崩してしまったとしても、
 たくさんの人たちが自然界への祈りを捧げることによって、
 そのエネルギーは安定へと向かうことができるからです。

「お祈りをしている間中、ずっと魚が集まってきてたね。
 終わったら、すぐにいなくなっちゃったけど(笑)。」

 Rちゃんが、祈りの間の様子を教えてくれました。

 川の水も、ずいぶんきれいになったように見えます。

 
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 ナセル湖に繋がるこの水場から感じられた、とても深い愛の波動は
 現在のような自然環境の荒廃を招いてしまった私たち人間にも、
 まだまだ希望の光を見出してくれていることの現れのように思えてなりません。

 人間界と自然界を繋ぐ架け橋でもある「祈り」。

 これから向かうカイロで、
 私たちは「祈り」の力の大きさを、あらためて知ることになるのです。

追記
< YさんのTシャツ >
 この日のYさんが着ていたTシャツの模様は、なぜか大きな「X」。
 
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「Yさんなのに、Xっておかしくない?」
「(笑)いや、別におかしくないでしょ。」
「いやいや、やっぱりおかしいでしょ。」

 車内はなぜか、この話題で大盛り上がり。

「そう言えば、昨日のTシャツは「PANCAKE(パンケーキ)」だったよね。
 あれって、どういう意味?」
「だからぁ、別に意味ないって(笑)。」
「いやいや、あれだけ大きく書いてあるんだから、何かあるでしょう。」

 エジプトでのファッションチェックも盛り上がるものですな(笑)。

 ちなみに、私の見解は
「お腹が空いて、言葉が通じない時に指差すため」です。
 Yさん、正解?(笑)
 
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(第2章 エジプトでの御神事編・本編(前編) 完)
 第2章 エジプトでの御神事編・本編(後編)は、2014年2月上旬から公開予定です。

『魂の紀行』 第2章 エジプトでの御神事・本編(前編)-9

 
< アブシンベル神殿 >

 「まるで、からだに電流が走ったみたいだった。」

 十数年前、Yさんが初めてアブシンベル神殿の写真を見た時の感想です。

 
 歴代のファラオの中でも絶大な権力を誇っていたとされるラムセス二世が、
 自らと第一王妃ネフェルタリのために建設したと云われるこの神殿。

 1813年に、半分が砂に埋まった状態で発見され、
 アスワン・ハイ・ダムの建設に伴い水没の危機にさらされていたところを、
 ユネスコの協力によって移転・保存され、現在にその貴重な姿を遺している世界遺産です。

 神殿の入り口へと続く砂漠地帯を歩いているのは私たちだけ・・・。
 何だか、よけいに広く感じますね(笑)。
 
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 塔門をくぐり、いざ神殿へ。
 
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 昔の記憶を想い出したかのように、神殿を奥へ奥へと進んで行くYさん。
  
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 導かれるようにたどり着いた神殿最奥にある至聖所。
 祈りを捧げ始めて間もなく、
 巨大な神殿に響き渡るように、声なき声が語りかけてきました。

「エジプト文明は、もともと高次元の宇宙存在(神々)が関わって、
 人類と共に創造したものである。
 愛と調和のエネルギーに満ちていた時代が、いつの間にか忘れ去られ
「権力や支配」といったエゴの感情が渦巻く時代となってしまった。
 ここルクソールは、そうしたひな形が生まれた場所の1つである。」

  かつては、愛と調和のエネルギーに満ちていた地球。

 それがいつの間にか、エゴの感情でゆがめられてしまった・・・。

 この想念帯の「ゆがみ」をリセットすることも、今回の旅の大きな目的です。

 私たちは、宇宙存在と人類が共に文明を創造した頃のように
「愛と調和」に満ちた地球原初のエネルギーに繋げる「元還り」を祈りながら、
 希望に溢れた「新しい星」を生み出す誓いを立てました。

 神殿内の空間に、まるでオーロラのように現れた青色や緑色の透きとおった光が
 前日のホルス神殿で活性化された5人の「胸(ハート)のチャクラ」を
 どんどん活性化していくのがわかります。

「やっぱり、とても深いご縁があったみたい・・・。」

 十数年に写真を見た時から、ずっとこの場所が氣になっていたと言うYさん。
 遥か昔(数万年前?)からの約束が、祈りを通して無事果たされたようです。

「ナルミンも、何か凄い氣づきがあったんじゃない?」

 ・・・さすがYさん。
 じつは、そうなんです。

 祈りを捧げている間、ずっと感じていたのは「地球を癒す」という言葉。

 これは、エジプトへ出発する前におこなった日本各地での御神事の時にも
 Yさんから指摘されていたことでした。

 人と大地を通して、地球を癒す役割。
 Yさん曰く「アース・ヒーラー」というのだそうです。

 鳴門の御神事で使った「鍵」を天岩戸神社で預かったのも、
 こうした役割の一環だったんですね。
第1章 鳴門での御神事編-8参照

 ヒーラーとして心身を癒す仕事に携わっていた時期がありましたが、
 かなり昔(20年以上も前!)の話ですし、
 地球の癒しまでは、正直あまり考えたことがありませんでした・・・。

「役割って、自分では氣づきづらいものみたい。
 私たちがチームを組んでいる意味も、じつはそこにあると思う。
 ナルミンには
「大地を癒せ、地球を癒せ」っていうメッセージが、ずっと来ていたと思うよ。」

 ・・・はい。今、ようやく氣づきました。
 本当は、今までずっと聴こえていたんですね。

 メッセージを無視しててゴメンナサイ(笑)。

 たいせつな役割に氣づいたところで、次の目的地へ行ってみよう!!
(・・・チョーさん風に読んでくれました?)

『魂の紀行』 第2章 エジプトでの御神事・本編(前編)-8

 
2013年9月15日。
 エジプト3日目の朝は、アスワンのホテルで迎えました。

 昨晩の夕食時
「少数民族の村?それは、ぜひ行ってみたいなぁ。」
 というリクエストをした私たち。

「うん、わかったよ。」
 と応えてくれたアムロの呼びかけで、朝5時にロビー集合です。
(寝たのは2時だったんですが・・・)。

 原住民が暮らすヌビア村へと向かいます。

< ヌビア村 >

 まだ暗いナイル川のほとりを30分ほど歩き、
 待機していた一艘の船に乗り込みました。

 川の向こう側には、貴族たちが葬られている墳墓が見えます。
 
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「ナイル川のエネルギーは、やっぱり凄いね!」

 Sちゃんの言うとおり、
 エジプト文明を生み出したナイル川の大きなエネルギーが
 どんどんからだに入り込んできます。
 
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 寝不足も手伝ってか、ちょっとハイテンションなメンバー(笑)。
 
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「もうすぐ日の出だよ。」

 アムロのひと言で氣づいた、目の前に広がるナイル川の日の出。

 そこには、すべてのものが溶け合った調和の世界がありました。

 「愛と調和に満ちた新しい星を生み出すための、祈りと誓いの旅」
 今回の旅のテーマを、あらためて認識させられる景色です。
 
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 船に揺られること約30分。
 先住民が暮らすヌビア村に到着です。

 村長宅で、家族の皆さんが歓迎してくれました。
 
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 幾何学模様のような刺繍は、自然と共生してきた文明の証でしょうか。

 アイヌ民族のものともよく似ています。

 ヌビアやアイヌといった先住民の多くは、
 自然の恵みに感謝しながら、自然と共に生活をしてきました。

 移民と共に入り込んできたエゴが、
 こうした文化の退廃に与えた影響は大きいでしょう。

 ほんらい誰の所有物でもない地球において、
 人間が勝手に作った取り決めで自然の摂理を侵してきた歴史は、
 そろそろピリオドを打つ時期にきているのかもしれません。

 アイヌ民族の聖地で大長老が伝えてくれたメッセージが甦ります。

「チセ(神のこころを宿す器)となれ。」

 人はほんらい、神のこころを宿す器です。

 自然の摂理の中で、人と人、人と自然(宇宙)が調和する世界。

 先住民たちの想いをあらためて受け取った私たちは、次の目的地へ向けて再び船に乗り込みました。