title_naruminikki

『魂の紀行』 第2章 エジプトでの御神事・本編(前編)-5

 
「次のホルス神殿までは、少し時間がかかるよ。」

 現地ガイド・アムロの案内があって間もなく、
 車にエンジントラブル発生(笑)・・・。

 替わりの車が到着するまでの間、その場に足止めとなりました。

 車内では、昨日、今日と私たちの「祈り」を間近で見ていたアムロから、
 次々と質問が飛び出します。

「あなたたちは、誰に祈っているのですか?
 祈るべき神は、アラーの他にいませんよ。」

「べつに、特定の神に祈ってるわけじゃないんだ。
 日本には「八百万(やおよろず)の神」という考え方があって、
 すべてのものには神のこころが宿っていると考えている。
 あえて言うなら、自然の摂理や宇宙の法則のようなすべてを内包する大きな源かな。」

「では、あなたたちの祈りには、いったいどんな意味があるのですか?」

「みんな自然の摂理の一部だし、宇宙の法則に生かされている存在だと思うんだよね。
 だから、そのことに感謝して、
 みんな大本で繋がっていることをあらためて認識することが、とてもたいせつだと思うんだ。
 みんなが繋がっている調和の世界の実現を「愛と感謝」の氣持ちで祈る・・・。
 そのために、文明の発祥地でもあるエジプトに来たんだよ。」

 生まれ育った環境の違いや、文化の違い、宗教の違い。
 それぞれの立場によって、異なる考え方や主張・・・。

 喧々諤々(けんけんがくがく)の車内に、運転手さんも少し戸惑い氣味です。

 しかし、話し合うこと約1時間。

 最初はかなり攻撃的だったアムロも、
 少しずつ穏やか口調になってきました。

「・・・うーん、そんな考え方もあるかもしれないなぁ。
 たしかに、あなたたちは、自分のために祈っていないことはよくわかるよ。
 自分以外の存在のために祈る・・・。
 そうか!みんな宇宙の大本で繋がっているから、ってことか!
 うん、やっとみんなの氣持ちがわかったような氣がするよ。
 何だかとっても嬉しい氣持ちだ!
 みんな、本当にありがとう!!」

 相手の言葉に耳を傾けることは、相手を尊重する第一歩。

 私たちが、アムロの意見をけっして否定することなく、
 お互いの共通点を見いだしながら宇宙の大本に繋がる意義を示そうとした姿勢に、
 アムロは深い理解を示してくれたようです。

 氣づけば、なぜか涙、涙の車内・・・。

 運転手さんの戸惑いは、いっそう高まったに違いありません(笑)。

 そして、ちょうど良いタイミングで替わりの車が到着!

 そこから先のガタゴト道では、お互いの話がよく聞こえず、
 こんなに密な会話はできなかったことでしょう。

 これからの地球の行方を示す、たいせつな「ひな形」が生まれた車内でのひと時。

 ここにも、神様の深い計らいが働いていたんですねぇ。